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日本刀の製作
今回は滓立ち感を少なめにし、
地金の透き通りを重視して鍛錬・鋼の選別工程 を組み立てました。
”焼き入れ” を経ることで地鉄の表情が ”ふわり” と現れるように調整しています。
自分で研磨を施すと金属の微妙な変化が観察でき、新しい発見が見つかります。
「自然が勝手に作りだす変化」を使い分けることで完成する焼き物?そういうものに似た感覚です。
毎回良いものが出来ると良いのですが、なかなかそうもいきません。
刀は伝統技術という枠に入るのでしょうが、、令和の世になっても未だに刀剣の新しい製作方法が発見されています。
鎌倉時代や室町時代の若者たちが、挑戦してきたように、現代の鍛冶技能者の方も全国で、今日も挑戦しています。
下の写真は、刀剣博物館が新しくなった記念展示、
「現代刀職展 今に伝わる いにしえの技」に展示させていただきました。
↑
ハバキの写真を撮った時に偶然刃文が映り込んでいた写真
全体の感じ、光って上手く撮れないです
(当時、白鞘の製作に出すときに撮影)
ハバキを作ってくださった先生、めっちゃうまいです
ペケ印は磨き仕上げにキズがつかないように、フィルムを貼っている印
”貼ってますよ”のマーク
”金着せ” で作ってあるので、下地の銅が、この角度から見える
メッキではなく、”金を着せる”という変わった技術
下地の銅から わからんくらい わずかに浮いて、ぷかぷかと スプリングのように刀身と鞘とを密着させる・・・
これって、なんかすごくないですか?!!
ご覧いただきありがとうございます。
■刀剣の価格、製作依頼について
刀身は研磨まで込みで、
刀の場合、おおよそ 100万円くらいで製作しています。
(出来によっては150万円、80万円の時もあります)
脇差は、だいたい 70万円、
短刀は、だいたい 50万円くらいです。
展示品は出来によってその都度価格を決めて販売しています。
品物ごとに工夫を凝らしているので、研ぎが進んでくると、
鍛えや、熱処理の成果が見えて来てワクワクします。
■製作期間は、六カ月から二年ほどかかります。
(平成29年12月3日)
日本刀は、刃長で 寸法を表しています。
刃長とは、 区 ”まち” と呼ばれる、刃とナカゴを 区切っているところから、鋒(きっさき) 迄の長さのことです
厚みのことを、重ね(かさね)と呼び、シノギの一番高くなっているところで測ります。
■刃材 ・材料 は、
玉鋼と呼ばれる 砂鉄を原料とした鋼を使用しますので、
包丁などの刃物と比べると、炭代など、材料費が高くつきます。